~黒木樹希の事件簿~


「なぁ…話変わるけど…
瑠璃は今日はどうして来たんだ?」

今、樹希に言われて気づいたが、確かにその通りだ。

新聞部には来たことがない瑠璃が、なぜ来たんだろう?

珍しい…

「何?来ちゃだめ?」

「いや…別にそういう意味じゃないけど…」

瑠璃は樹希から、そう言われると、待ってましたと言わんばかりに、楽しそうに言った。

「オカルト部のいっちゃん達が好きそうな話を持ってきましたー!」

瑠璃は楽しそうにニコニコしている。

いっちゃん、というのは樹希のあだ名で、恵里佳は使わないけど、クラスメイトなどからそう呼ばれてる。

「どういう話ですか?」
さっそく、話に食いついた真希ちゃん。

大きな目をクリクリさせながら瑠璃を見る。

あの目で見つめられたら、そこら辺の男子はメロメロだろう。

「まぁまぁ落ち着いて」

瑠璃は両手を上下に降ると、ニヤッと笑った。

「ただで教えるわけにはいかないから…購買のパンおごって」

わざわざ新聞部に来たのはそのためだったのね…

「瑠璃もケチだね…」

あーあ、やっちゃった…

思わず、思ったことを口に出してしまった。