「ごめん、ごめん…
記事が面白くてさ…」

樹希が、読んでいたページを開いたまま、瑠璃に渡そうとした途端…

「いーやー、あたしホラー嫌いって事知ってるでしょ?」

内容に気づいたのだろう、
瑠璃は受けとるまいと、両手を使ってガードしようとする。

樹希は、意地でも瑠璃に見せようとソファーから立ち上がった。

「く、来るなぁ!」

瑠璃は樹希から逃げようと、
教室の中を早歩きで逃げだした。

樹希は、絶対瑠璃の反応を楽しんでいるよ…

「怖くないよ~」

ニヤつきながら、読者から投稿された、心霊写真が載ったページを開いて、瑠璃を追いかける樹希。

「あんたの怖くないと、私の怖くないは違うの!」

それから逃げようとする瑠璃。

2人はキャーキャー言いながら、教室内を追いかけあっている。


本当に…
クラスメイトが今の樹希を見たら驚くだろう。

なぜかって、樹希はクラスの中では『放課中は本を読んでる、大人しい女子』で通っている。

まさか、こんな風にオカルト系の雑誌を持ちながら、おっさんみたいにニヤついて、幼馴染みを追いかけてる…なーんて誰も思わないだろう。