「私たちが来たことにも気づいてないみたいだね」

「さすが樹希先輩」

瑠璃と真紀ちゃんが、あきれたように笑いながらこちらを見る

恵里佳も、あきれてものが言えない…

樹希は物事に集中すると、
返事しなかったり、気づかなかったりする事が、よくある。

まぁ、慣れてるからいいけど…

「ちょっと驚かそうか?」

瑠璃が、まるでイタズラ好きの子供みたいに、
目を大きくさせて言う。

ていうか、樹希は本当に瑠璃達が来たことに気づいて、
無いのだろうか?

もし、気づいてないなら、
ものすごい集中力だ。


瑠璃はいつの間にか、樹希の後ろに立っていた…

瑠璃が両肩に手を置こうとした…