~黒木樹希の事件簿~


「ケチかあ…言われてみればそうかもね…」

瑠璃はそれだけ言うと、ニコッと笑い、手をだした。

「さあ!100円!」

どうやら、無料にはしてくれないらしい。

まあ、100円なら出すか…。

そう思い、鞄から財布を出そうとしたところ、樹希が、スッと立ち上がり、言った。

「中央公園の幽霊…」

「はぁ?」

今、自分でも変な声出してしまったと思った…。
恥ずかしい。

中央公園は恵里佳が登下校するときに通る、学校から10分くらいの所にある公園だ。

瑠璃の方を見ると、驚いた表情をしている。

「その話でしょ?」

樹希は、首をかしげると、
さっきの瑠璃に負けないくらいニヤッと笑う。

「うぅ~そうです。その話ですぅ!」

瑠璃が悔しそうに、すねた顔をしながら、樹希が座った正面にある、ソファーに座った。

「ていうか、なんで知ってんの~!
今日、朝一番に仕入れたのに!」

瑠璃は本当に悔しそうに顔を膨らませている。