「じゃあな。やすみ〜。」


手を振って小さくなっていく後ろ姿。


「出るぞ。」


「はい。」


もう、暗くなった空を見上げた。

朝が待ち遠しいなんて、いつぶりのことだろう。

遠足を楽しみにしている子供のような自分が可愛くなった。

ほんの束の間の出逢いが、こんなに心に残るなんて、思いもしなかった。

そして、この出逢いが、俺の運命の出逢いになるなんて、この時はまだ、想像もしていなかった。

ただ、青い空が、心に広がっていた。