「きゃっ」


少し酔いが回っているのか、何でもない段差で躓いた私を彼は咄嗟に抱き留めた。


「……真希?」


俯いたまま、両手で彼の広い背中をぎゅっと抱き締める。


この、温かな温もりも、これで、最後――…


そう思って顔を上げようとした時、彼の声が静かに響いた。



「ほら見て、真希」