楽しい時間はあっという間に過ぎる。


今まで何度も味わった胸の痛みを心の奥にしまい込み、私は彼と過ごす最初で最後のクリスマスを、精一杯の笑顔で過ごした。



その後行き付けのバーでお酒を飲み、店を出たのは11時半を少し過ぎた頃だった。


切ないくらいにきれいに冴え渡る真冬の空気が火照った頬を刺し、鼻の奧がツン……と痛む。


「ちょっと、酔いを冷ましながら歩こうか」


駅へと続く中央公園の遊歩道を、彼と並んで歩く。


――…あと、もう少し。


駅に着く頃には、私と彼の8ヶ月間が、終わりを告げる。


そんなことをぼんやりと考えながら、白い息の向こうに寄り添う2つの影を、私は黙って見つめていた。