君は今日も、暖かな陽射しの中で静かに本を読んでいる。

テラスの小さなガーデンチェアに座り、ローズティーを飲みながら。


三年前、僕はまだ駆け出しの新人作家だった。

あの頃と違うのは、目の前の景色が少し変わったことと、君がサイズの大きな本を読んでいること。


僕はそんな君をすぐ傍で見ながら、パソコンの前で新作の推敲をする。


「少し休んだら?昨夜も殆んど寝てないんでしょう?」


デスクの脇で、柔らかな湯気が上るティーカップが、かちゃりと優しい音を立てた。