僕はいつも、暖かな秋の木漏れ日に揺れる君の横顔を見ていた。


小さな芝生の庭に面した、テラスの片隅。

君はいつもベージュの質の良いブランケットで膝下を包み、文庫本を読んでいた。


心地良い温度のそよ風が、君の柔らかそうな髪を揺らす。

いつだって君は、本に夢中だった。


僕の存在など、まるで眼中にないように。