「異国の……言葉?」


その響きに、少女は胸を揺さ振られた。


少女は生まれた時から、父親の顔を知らない。

物心付いた頃から母親と二人きりの生活だった。


少女の母親は若かった。

少女の母親は、小さな港で船乗りを相手に商売をする酒場の娼婦だった。

いつも男をとっ替えひっ替え、少女に瞳の色の違う兄弟ができなかったことが不思議な程だった。


母親が帰って来ないことなど、少女にとっては当たり前の日常だった。