「こんな所で、何してるの?」


ここへ来て、自分から他人に声を掛けたのは初めてだった。

自分の声はこんなにもひしゃげた声だったろうかと、少女は呆れて自嘲する。


少女の突然の問い掛けに、少年は然程驚いた様子もなく答えた。


「風を、見てた」

「……風?」


その少年の言葉に凛とした響きを感じ、少女は吸い寄せられるように少年の隣に肩を並べた。