ふらふらと、覚束ない足取りで少女は前へと進む。

瞬間、見下ろす視界いっぱいに瑞々しい色彩が広がった。


一点の曇りもない青が突き抜ける空と、合わせ鏡のように広がる青碧の海。

向こうの断崖の淵までせめぎ合うように生い茂った緑がほんのりと煙り、岬の外れには陽に灼けたボートが一雙、穏やかな波に揺れている。

足元には抉るような曲線を描き、赤褐色の土が剥き出した斜面が駆け上るように続いていた。


しっとりと潤んだ空気が景色を包み、神々しいまでの世界がそこにあった。