なんにもない。


ここも、あたしの心の中も。



さっきからずっと、ただぼんやりと目を開いているだけのあたしの視界には、乾いた草のしおれた緑が映っているだけだ。



汗で張りついた前髪の隙間から、絞り出すように一滴の汗が流れた。



このままこうして焦げるような真夏の太陽の下で、あたしもからからに干からびて、しおれてしまうかな。


ううん。

汗も涙も血液も、この汚れた身体さえも。


灼熱の太陽に乾き切った大気に、溶けて蒸発して、跡形もなく消えてしまえばいいのに。