――きっと、遠い異国の土地に、行っても。


彼はまた、私のためにサイズの合わない冷蔵庫とキッチンボードを買って、私の居場所を作ってくれるだろう。

そして私は、その僅かな隙間――


オレンジ色の踏み台に座って、彼の帰りを、待つのだ。





彼の肩越しに見えた淡い春の夜の月が、一層淡い光を放ち、私たちを見下ろしていた。










「25センチの居場所」

〜 Fin 〜