そっと僕の身体を押し戻すように、彼女が身動ぎをする。


「修ちゃん……」


僕ははっとして、強く抱き締めていた腕を緩める。


「ごめん、……」


彼女は俯き加減に、弱々しく首を振った。


「私……もう行かなきゃ」

「……あぁ、そっか……」


今にも消えてしまいそうな彼女の肩から力なく手を下ろし、僕は呟いた。


「……お母さんがね、待ってるの」


そう言って、彼女は視線を町外れに向けた。