今朝方、不思議な夢を見た。


彼女が夢に現れたのだ。

町を出てからこの十年、僕は彼女に一度も会ってはいないし、仲の良かった同級生とも特に連絡を取ってもいない。

父親は健在だが、連絡など滅多としなかった。


三十路前のいい大人が……

否、息子なんて凡そそういうものだろう。


理由はどうであれ、この数年すっかり故郷とは縁遠くなっていた自分の夢枕に、何故突然彼女が現れたのか。


夢の中の彼女は、酷く寂しそうな顔をしていた。

彼女は何か言いたげな憂いを含んだ深い瞳で、じっと僕を見つめていた。


彼女の肩に触れる。

抱き締める。


そして、僕は――