ブーン……と低く唸るモーターの振動が、身体に伝わる。

冷蔵庫の熱が、冷えた背中にじんわりと温かくて気持ちが良い。


私は冷蔵庫に背中を預け両手でマグカップを包み込んだまま、オレンジ色の踏み台の上で膝を抱える。


小窓から見える丸い月が先刻よりも黄色味を帯び、切ないくらいに淡く、淡く――

ぼやけて見えた。