「ごめん。俺、帰るわ。」


「そうだね。それが良い。」


「飛行機、送りに行くから。」


「良い。ここで。」


「夕貴。ごめん。」


「元気でね。彼女、大事にしなさいよ。」


「あぁ、夕貴も。幸せに。」










俺は、あったはずの雅美の宝物達を取り戻さなくちゃならない。

一週間で3回のキャンセル。

それは、宝物が消えてしまうに十分な材料だった。



俺の心は、宝物に向いてはいなかったから。










ただ、雅美を訪ねるには後ろめたくて、かといって自分の部屋に帰る気にもならなくて。

その結果、消えた宝物。


答えを届けに行こう。





正直な、嘘の無い答えを……