「お、ほんとだ。やっべぇ。」


慌ててキッチンを出ていった。

白く濁った水を流しながら、小さな溜め息も一緒に流す。

炊飯器にお釜をセットし終わると、まくりあげていたワンピースの袖を下ろした。


「悠ちゃん、私、帰るね。」


リビングに置いてあったバッグを手にし、ベッドルームに声をかける。


「ちょい、待てって。」


スーツを脱ぎ、黒の長Tにジーンズといういたってシンプルな服装に着替えた悠ちゃん。


「途中まで一緒に行こうぜ。」


「……うん。」


携帯と財布をポケットに突っ込み、にっこり笑う。

機嫌が良さそうなこの笑顔。


「行こうぜ?」


「そうだね。」


私は帰るんだけどね。

心の中で突っ込みながら、一緒に部屋を出た。