「おい、あいつ・・・・化け物だよな」

 「分かる~由樹君と棗君に近づかないで欲しい」
 
 同じ功績をやっても、違う待遇。

 私は貴方達を守ったのに、見返しはいじめ。

 今は、放課後。

 終わりのあいさつも終わり、私は、教科書を詰め、部活に行こうとしていた。

 「ねぇ、兎癒さん。」

 聞き覚えのない声が、私を呼ぶ。

 「はい。なんでしょうか?」

 普通の顔をして、振り向くと。

 「あんた消えて欲しいの。」

 「死んじまえよ」

 「なんでこの世にいるの?」

 先輩方からの激しい言葉に、心が揺れ動く。

 悪いけれど、最近、体の調子もあってか、

 部活も稽古もついていけない。

 そればかりか、片付けるだけで、息切れがする。

 それを私はただ。そう、ただ、見つめていた。

 いじめもあって、稽古では失望といわれ、部活にはついていけない・・・・

 どうすればいいのか・・・・・・・・・・?

 私はこの日、部活を休み、稽古を捨てた。

 激しい嘔吐とからっぽな心、私にはどうすることもできなかった。

 そんな気持ちを抱えて、3週間がたった。

 事件がおきた。