双子は魔法使い!?

「それにしても、いい男ね」

恋する乙女のように、クロミさんが言った。

「いい男って…50歳のおっさんですよ?

しかも、ハゲてますし」

そう言った俺に、
「あら、そこがいいんじゃない」

クロミさんが言った。

…この人の男の見方がわからない。

未だに独身と言う理由が何となくわかったような気がした。

「それに、先生は結婚するんですよ?」

「なーんだ、つまんないの」

クロミさんは大げさにため息をつくと、鍋に切ったばかりの白菜をぶち込んだ。

「せっかく結婚のチャンスかと思ったのに…」

ふてくされたようにブツクサと文句を言いながら、クロミさんはマロニーを入れた。

魔女と人間の結婚……おふくろが聞いたら、絶対に黙っちゃいないな。

絶対にブチギレして、ヒステリーを起こすのは間違いない。

子供ながらにわかってるんですよ、はい。