溶けたように焼けただれている茶色い肌に人間かと思えないくらいの高い鼻、性別がわからないくらいのグチャグチャになった顔立ち――例えるとするなら、魔物だ。

そして、そいつの腕にはグッタリとした形でもたれている“何か”があった。

それは服が破れ、躰のあちこちが血に染まっている。

何度も刺したような傷痕が生々しい。

全ての様子から、持っているのは死体のようだ。

それに吐き気を覚えたのと同時に、俺と魔物の目があった。

「チッ」

俺と目があった瞬間、魔物は舌打ちした。

腕の中の“何か”を、ゴミでも捨てるかのように俺の足元へと放り投げた。

それは、小さな女の子の死体だった。