「それにしても、クロミは何の用があってきたんだい?」

「私?

そうね、気まぐれかな。

あの子たちの顔が見たくなったって言うのもあるし」

「気まぐれ…。

はっ、誰に似たんだか」

「さあ、誰かしら」

わかっているけど、内緒にしておく。

これが姉妹としての礼儀と言うものでしょ?

「いつ帰るんだい?」

そう聞いてきた姉さんに、
「気まぐれかな」

私は答えた。

「全く、のんびりしたところは昔から変わってないね」

「褒めてるの?」

「さあ、お好きなように解釈おし」

姉さんも、変わってない。

「クロミおば様!」

視線を向けると、フェンスに座ったあの子たちが私たちに向かって手を振っていた。

○o。クロミSide。o○END