○o。クロミSide。o○

「戻してあげるなんて、姉さんも優しいところがあるのね」

そう言った私に、
「ふんっ、ほんの気まぐれだよ」

姉さんは不機嫌そうに顔をそらすと、煙管をくわえた。

何だかんだ言っても、根だけは優しいのよね。

私がクスッと笑うと、
「何がおかしいんだい?」

姉さんが言った。

「いいえ、何にも」

「はっ、変な子だよ」

ふうっと、姉さんは口から煙を吐いた。

吐き出された煙は風に溶けて消えた。

「それにしてもあの子たち、成長したわね」

そう言った私に、
「双子のことかい?

とんでもないわがままに育っちまったよ」

姉さんは不機嫌そうにぼやいた。

本当は、照れくさいだけなんだから。