双子は魔法使い!?

「さっさと戻るぞ。

次は数学だろ?

数学のセンコーのヤツ、ウザいんだよな。

ただ遅刻しただけでもブチギレるから」

そう言った俺に、
「そうそう、黙って笑っていればイケメンなのにね」

笑いながら教室へと戻ろうとした時、
「佐藤未来さん」

後ろから、誰かに名前を呼ばれた。

振り返ると、毛先だけ巻いた茶髪の女が腕組みをして立っていた。

意志の強そうな目が印象的だ。

と言うか、あんたは誰だ?

そう思っていた時、
「副会長…」

呟くように未来が言った。

「ふ、フクカイチョー?」

イントネーションが違うと言うのは見逃して欲しい。