双子は魔法使い!?

「お願いすれば、私が簡単に言うことを聞くと思ったのかい?」

ふうっと、おふくろは煙を吐いた。

罪の様子を微塵に感じていない態度に、俺は腹が立った。

「とにかく無理だね。

まあ、しばらくは逃げ回ることを考えるんだね」

そう言っておふくろはニヤッと歯を見せて笑うと、パッと姿を消した。

「困ったわ」

クロミさんがため息をついた。

「魔法を解くのは、かけた本人にしかできないのに…」

前髪をかきあげると、クロミさんはまたため息をついた。

ごもっともである。

人間の個性のように、魔法にもそれぞれの形がある。

かけた本人にしか魔法の解き方がわからないのだ。