「過去の優しいところは、相変わらずだよね」

未来が笑いながら言った。

「あたしが過去の持っているお菓子やおもちゃが欲しいって言った時も、何だかんだ言いながらくれるもん。

小さい頃からずっと」

そう言った未来に、
「まあな」

俺は言った。

未来に泣かれたりするのがめんどくさいと言うのも、理由の1つなんだけどな。

そう思いながら、ふうっと俺は息を吐いた。

「後藤さんはどうする?」

まだ泣いている後藤に視線を向けると、未来が言った。

「そっとしておけばそのうち帰るだろうに。

邪魔にならないうちにさっさと帰るよ」

おふくろが姿を消したので、俺たちも黙ってその場から姿を消した。