双子は魔法使い!?

夜の学校の屋上は、何だか趣味が悪い。

その趣味の悪い場所を対決場所に選んだのは、俺本人だけど。

「――寒い…」

未来が呟いて、カメのように首を縮めた。

月明かりがうっすらと俺たちの影を地面に照らしている。

「われたちも趣味が悪いことをしとるの」

その声と共に、早乙女がドアにもたれかかっていた。

「わしと対決なんて、考えたもんじゃの」

ふうっと息を吐くと、早乙女が俺たちに歩み寄ってきた。

でも俺たちは逃げない。

「ほお、今日は逃げんのんじゃの」

ククッと早乙女が笑ったので、
「逃げたって、どうせ追うんだろ?」

俺は言い返した。