双子は魔法使い!?

確かにクロミさんの姿を見ていなければ、早乙女は脅迫気味に迫らないだろうな。

「と言うか、早乙女くんってずいぶんと変な日本語をしゃべるのね。

あの人、何者なの?」

そう言った未来に、
「何者も何も、あいつは絶対に変人だ」

俺は言った。

「変人は余計じゃないか?」

第3者の声に振り返ると、ニヤニヤと笑みを浮かべている早乙女が立っていた。

彼の登場に、未来が俺の後ろに隠れた。

「広島弁もれっきとした日本語じゃ」

「って言うか、何でお前が屋上にいるんだ!?」

そう言った俺に、
「ああ、これじゃ」

早乙女はポケットから鍵を出した。

「こりゃぁ屋上の合鍵なんだんじゃ。

ほんまの鍵の親戚みとぉなもんじゃの。

わしもサボる時はよう屋上にくるからな」

早乙女が笑いながら言った。