双子は魔法使い!?

連行されるようについて行ったところは、中庭だった。

彼――早乙女龍之介は、落ちつかなさそうに首を動かして辺りを見回している。

全く、俺たちを呼び出して一体何の用なんだ?

愛の告白でもするのか?

だとしたら、俺はいらねーじゃん。

未来1人をここに連れてくればいい話だろうが。

心の中で毒づいていたら、
「ねえ、過去」

コソッと、未来が耳元で声をかけてきた。

「んっ?」

「あの人、誰なの?」

…バカだ。

俺はふうっと息を吐くと、
「早乙女龍之介、俺たちのクラスにいるだろ?

変な言葉を話す変なヤツ」
と、耳元で答えた。

「ああ、名字も名前も長い人ね!」

未来が納得したと言うように首を縦に振ってうなずいた。

…間違ってはねーな。

早乙女は窓を見てふうっと息を吐くと、
「なるほど、ここからぁ磨りガラスになっとるんか」

探偵のように呟いた。