双子は魔法使い！？

「全くバカか！」

そう言った俺に、
「だって、気づかなかったんだもん」

未来が言った。

だもん、って…。

俺は目の前のクロミさんに視線を向けた。

「間にあってよかったわ」

クロミさんはホッとした顔を浮かべた。

「わざわざ体操服を届けてくれてありがとう、クロミおば様」

大事そうに体操服を抱えると、未来がお礼を言った。

「ったく、クロミさんが気づいて届けてくれたからよかったけどなかったら大変だったぞ」

ため息混じりに俺は言った。

「うん、これからは過去じゃなくてクロミおば様に忘れ物チェックを頼む♪」

そう言った未来に、
「反省しろよ…」

俺は呆れるしか他がなかった。

「じゃあ、私は帰るから」

そう言ったクロミさんに、
「本当にすみません」

「バイバイ」

クロミさんが手を振りながら俺たちの前から姿を消した。