リビングに入り、テーブルの上を見ても、母親からのメモの走り書き、
「今日も咲くんの家で食べるんでしょ? あとは自分でなんとかしなさい」
というのがあるだけだ。

鞄からタッパーと弁当箱を取り出し、弁当箱はシンクに、タッパーは冷蔵庫に入れる。タッパーは姫のお婆ちゃんに明日のお弁当に入れなさい。と手渡された里芋の煮っころがしとひじきと大豆、人参の煮物だ。
コンビニ弁当や学食を食べても良いのだが、少しでも身体に良い手料理を、とお婆ちゃんが家に行った時は必ず持たせてくれる。

何だかんだで、姫の家でご飯を食べるのは嫌いじゃない。