「……良いのか……？」

「え？　あぁ、もちろん」

「うん。大翔に見てもらうほうが上手くなるし」

「……」

つまりあれだ、大翔は自分なんかがお前らにﾃﾆｽを教えて良いのか？　と言いたかったんだ。

ﾃﾆｽの才能もあるし、教える方の才能もあるのに自分にその才能があるとはちっとも思っていない大翔が物凄く憎い(笑)

「引いて……」

「ん？　あ、あぁ」

大翔の言葉は少しだけ分かりにくい。
だけどそれはそれで自分の至らない部分を自分自身に考えさせてくれる。

面倒だけどとても有難い、口数の少なさだ。