「あら、あなたが麻衣さん?」


「あ、はい。初めまして、大下 麻衣と言います。」


緊張した麻衣とは、うらはらに、上から下まで見るおかん。

「疲れたやろ?
はよ上がり?お父さん待ってんで?」


「ほいよ。
おかん、修司は?」

「修司もいてんで。部屋やから、呼んでくるわ。」


そう言って、リビングに繋ぐ廊下の奥に有る階段に向かう。

「麻衣、上がりや?」


「う…うん。お邪魔します。」