雨のあとに

そうだ、ディーンはいつでもあたしのことを想ってくれていた。それなのにあたしは・・・。ディーンの気持ちに気づかなかった情けなさと恥ずかしさで思わず涙が零れてディーンの胸に飛び込んだ。

『ゴメン、ゴメンねディーン。あたしディーンの気持ちを考えてなかった、好きって言ってくれたから大事にしてくれてるのが当たり前みたいに考えてた。』

ディーンは優しくあたしの身体を包んでくれた。

『泣くことはない、私がアメを守るのは当たり前だ。』

『ううん、違う。あたしはディーンの心を無視してたんだ。守ってくれてたのにそれを踏みにじってたんだよ。』

泣きじゃくって最後には喋ることもできなくなった。そんなあたしをディーンは優しく抱きしめてくれた。暖かい、数日離れていただけなのにこのぬくもりを忘れてた。あたしは大切なことに気づいた。あたしからディーンに好きだって言ったことなかった。いつもディーンにつられるように言ってた。

『ディーン、大好きだよ。誰よりも一番好き。』

『私も同じ気持ちだ。アメとはいつでも同じ気持ちだと思っている。』

『うん、だからあたしもディーンと離れたくないよ。・・・そうだ!ディーンも一緒に地球に行こうよ。そうしたら一緒にいられるでしょ?』

『何っ!?そんなことをすれば誰がマサルドリアを守るのだ。』

『カーダやレオンたちがいるじゃん。それに聞くこと聞いたらすぐに帰るから。ね?いいでしょ?』

『う、うーむ・・・しかし・・・ふー、そうだな。たまに国を空けてもバチは当たらんだろ。分かった、私も行こう。』

『やったー!ディーン大好き!!』

そうしてディーンと離れることなく地球に帰ることになった。あたしはますます張り切って帰る方法を探しだした。