雨のあとに

だけどレディアたちはあたしが異世界から来たことを知っているみたいだったし、間違いないと思う。そこであたしは決心した。

『あたし、地球に帰る。』

『な、何だとっ!?』

あたしの突然の発言にみんな驚いていたけど、ディーンが一番驚いてた。

『貴様、冗談を言っている場合ではないぞ！』

『冗談じゃないよ、あたしは本気よ。』

『お姉ちゃんが行くならあたしも行く！』

レインがあたしの腕に抱きつきながら言うから、良いよって笑ってあげた。するとカーダも泣きながら抱きついてきた。

『陛下〜、何故そのような事をおっしゃるのですか？マサルドリアをお捨てになるのですか？』

『違う、違うって。あたしが帰るのはお父さんに知ってる事を聞いてくる為なの。聞いたらちゃんと戻ってくるから、ね？』

カーダを引き離しながら説明するとカーダに笑顔が戻った。鼻水が出てるけど。

『申し訳ありません。私としたことが陛下のお心を疑うなんて！王佐失格です。』

それからあたしはみんなとどうやって地球に帰るかを考えた。コッチに来たときは海に落ちて、気づいたら来てたんだよね。だけど、前に海に落ちた時はなんともなかったから同じ方法は使えない。あれこれと考えた結果･･･日が暮れてしまった。

夜になって部屋でレインが寝ている横で１人考え続けた。来れたんだから絶対に帰れるはず。だけど、来れた理由が分かんない。海に落ちたのは関係ないし、あの時は鍵も持ってなかったし･･･。

そう言えばヴィッセルが「あの方が連れて来た」って言ってたっけ。あの方って誰だろう？レディアが最後に言ってたマリアって人のことかな？分かんないなー、お父さんに聞けば分かるのんだけど。って振り出しに戻ってるし。

トントン

扉を叩く音がして、レインを起こさないようにベッドから降りて扉を開けた。するとそこに立っていたのはディーンだった。

『どうしたの？こんな時間に。』

『少し話がしたいのだが、良いか？』

『いいけど、レインが寝てるからディーンの部屋で良い？』