雨のあとに

『私は貴様に何か行動する時は必ず相談しろと言ったはずだが?』

ディーンの怒りに震える声で軽くしようとした空気は倍ぐらいに重くなってしまった。

それから何度か話しかけたけどディーンは答えてくれず、レインはますます怖がってしまい最悪な状態になりました・・・。

お城に着いてからやっとあの気まずい空間から解放された。ディーンとはちゃんと話をしないとダメだよね、だけど今日は疲れ過ぎてムリです。

怒っているエレットと泣いているカーダをなんとか落ち着かせて、話し合いは明日にと言って自分の部屋に戻った。

レインは緊張しているのかレオンたちに何を聞かれても答えず、あたしの後ろに隠れてしまう。部屋にあたしと2人になってもまだ、あたしから離れようとはしなかった。

『どうしたの、レイン。みんなが怖かった?大丈夫よ、みんな優しい人ばかりだから。』

『うん。けど・・・みんなあたしをジロジロ見るから。』

『それはレインがあたしとそっくりだからよ。レインだってあたしの顔を見て最初はびっくりしたでしょ?みんなもすぐ慣れるから許してあげてね。』

『うん。あの人たちがアメの家族でしょ?』

『そう、レインも今日から家族だよ。これだけあたし達似てるから姉妹だって言っても誰もおかしいと思わないね。』

『ホント!?だったら・・・あのね、お願いがあるの。アメのこと・・・お姉ちゃんって呼んでいい?』

『もちろん、レインが好きな呼び方でいいよ。』

『やったーっ!!お姉ちゃん、お姉ちゃん一緒に寝よう。』

それからレインはあたしをベッドに引っ張って一緒に眠った。レインも疲れていたみたいで、布団に入るとすぐに眠ってしまった。

レインの顔を見れば見るほど疑問が膨らんでいく。どうしてこんなに似ているの?どうして鍵を持ってるの?レインに聞いても分からなかったことだけど、お父さんに聞けば全部分かると思う。

答えを聞くのが怖い、だけど知りたい!教えてお父さん、あたしは何なの?逢ってちゃんと話をしたい、こっちの世界のことや・・・ディーンのことも。久しぶりのホームシックになって、あたしはレインと手をつないで眠った。レインの手、暖かい・・・。