雨のあとに

レインの方髪が長いけれど、それ以外は同じ顔。

『レインあなたの顔・・・まるで・・・』

『双子みたい?』

レインの顔に驚きすぎて背後から近づく存在に気づかなかった。さっきの人とは声が違うけど黒いコートを着ている、きっとアイツの仲間だ。声からしてたぶん女の人、黒いコートの女。黒いコートの女はフードを取って深い茶色でウェーブがかかった長い髪に鋭いつり目の顔を見せた。レインはあの人を見てスゴく怯えて、彼女の名前を呼んだ。

『レディア・・・。』

レインがレディアと呼んだ女性は鋭い眼光でレインを睨みつけた。

『ヴィッセルのやつしっかり見張ってろよな。ったく、お前も面倒かけんなよ。』

レインを脅すように怒鳴りつける。レインは恐怖でレディアの方へ歩き出した。

『レインは渡さない!』

あたしはレインとレディアの間に立った。

『は?レイン?ああ、それに名前つけたの?人の物に勝手に名前つけないでもらえる?』

『なっ!?レインは物じゃないわ!』

『うぜえな、つうかなんでお前がこっちに居んの?セイシロウがどっかに持ってったはずだろ?』

征士郎ってお父さんの名前、なんでこの人が知ってるの?持って行ったってどういうこと?

『どうしてお父さんの名前を知ってるの?』

『お父さんだって!?ぷっ、アハハハ・・・ちょっと笑わせんなよ、ヒー苦しい。お前アイツのこと父親だと思ってんのか?まあアイツがこいつをどう扱おうが関係ないけど。良いか?アイツはお前の・・・』

『レディア、少し喋り過ぎだ。』

レディアの言葉はレディアの背後から現れた黒いコートの男に遮られた。この人はシーバーと戦ってるはずなのに。それじゃあシーバーは?

『悪ぃかよヴィッセル、つうかテメーこそ何やってんだよ。アレ無くしたら計画が台無しだろうが。それにもう一つの鍵もこっちに居るってどういうことだよ?』

『さあな、あの方が連れてきたのかもしれん。』

レディア達の会話はあたしには何一つ理解できなかった。