雨のあとに

1人は黒いコートを着ている、もう一人は頭からマントを被っていて、髪が見えないけどあれはレインだ。嬉しさと興奮のあまりあたしは思わず叫んでしまった。

『レインっ!!』

1人があたしの声に反応して振り向いた。やっぱりレインだ。

『レインなんでしょ?あたしよ、アメよ。』

『陛下、私の肩に掴まってください。』

シーバーがあたしの体を持ち上げてレイン達の前に飛び降りた。

『アメ?』

『そうだよ、レインを迎えにきたんだ。』

黒いコートの人があたしに近づいて来ようとしたレインの肩を掴んで後ろにさがらせた。

『貴様ら何者だ?何故こいつの事を知っている。』

黒いコートの人は声からするとどうやら男みたい。黒いコートの男は腰の剣を抜いて構えた。シーバーもあたしを背中に隠して剣を構えた。

『答えるつもりはない。貴様らが最近魔族殺しの犯人だな?』

『答えるつもりはない。』

黒いコートの男はそう言って切りかかって来た。シーバーは剣を受けて、反撃をした。2人ともスゴい・・・。

『陛下、ここは私に任せてその子を連れて御逃げください。』

『で、でも・・・』

『いいから早く!!』

シーバーを残して行くのはイヤだけど、あたしが居ても足手まといになるだけ。あたしはレインの腕を掴んで走った。必死に走って、だいぶ離れた裏路地で息切れして足を止めた。

『ここまで来ればしばらくは大丈夫でしょ、レイン大丈夫?』

『う、うん。ありがとう、本当に来てくれるとは思わなかった。』

『絶対に行くって言ったでしょ。あたし今まで約束を破ったことなんてないんだよ。』

『夢の中だったから、あんまり自信なくって。』

『あたしも。』

2人で息切れしながら笑った。

『レイン、いつまでも顔隠してないで顔見せてよ。』

『アメも見せて。』

『じゃあ、一緒に見せ合お。いっせいので、で顔を出すよ?』

『わかった。』

『『いっせいので』』

レインの顔を見たら声を失った、レインもあたしの顔を見て驚いてる。そりゃそうだよ、だってレインの顔は・・・あたしの顔は・・・一緒なんだもん!