雨のあとに

もしかしたらこの時間を失ってしまうかもしれない。けど、心の中にしまっていたディーンの気持ちが知りたいという気持ちを抑えきれず口に出した。

『ディーンはあたしのことどう思っているの？』

顔を見ずに言ったからどんな顔をしているか分からない。少し沈黙が続いた後、ディーンは真剣に答えてくれた。

『私は長い時間を生きた、その中で好意を持った者に会うことも幾度かあった。だが、たとえ生きる時間が違ったとしても共に生きたいと思えたのはアメだけだ。』

頬に涙が流れた。嬉しくてたまらない、嬉しいのに涙が止まらない。ディーンは泣いて俯いているあたしの顎を持って顔を上げて自分の方に向けさせた。黙って涙を指で拭いてディーンは顔を近づけてきたから、あたしは瞳を閉じて二回目のキスをした。前のキスの時と違って恥ずかしいより嬉しい気持ちが強い。あたしは、はにかみながら笑ってディーンを見たら耳まで赤くしていつものコワい顔をしていた。

ガタッと船が揺れた。あたしは倒れそうになったけど、ディーンが支えてくれた。

『何が起こったの？』

『分からん、私は様子を見てくる。貴様は船室に戻っていろ。』

ディーンがそう言いながら離れて、あたしは言われた通り船室に行こうとしたらまた船が大きく揺れた。そのはずみで体が船から放り出され、海に落ちた。

『アメーーーっ!!』

ディーンの声がゆっくり聞こえて、海に沈んだ。波が激しくて体は浮かばなくてどんどん沈んでいった。

こんなの前にもなかったけ･･･