雨のあとに

魔術を使うところを見られ、みんなにあたしが魔族だとバレてしまった。誰かが叫んで、騒ぎを聞いた兵士が集まって来た。兵士達はあたしに矢を放とうと弓を構えた。逃げなきゃ!けど魔力の使いすぎで体がうまく動かない。諦めようとしたときディーンの背中が目に飛び込んだ。

『ディーン!?どっから現れたの!?』

『アメ、無事か?』

『あ…うん、ちょっと魔力を使っただけ。』

ディーンはホッと息をついて、あたしを抱きかかえた。そしてディーンはあたしを抱えて飛び上がった。すごい、あんなに高い壁を飛び越えてる。そういえば前にカーダが教えてくれたっけ?魔族は人間の何倍も力があるって。地面に着地して直ぐに馬に乗ってその場から離れた。

『ディーン、あたし病気にかかってるかもしれないんだけど。』

『安心しろ、魔族にはかからん病気だそうだ。』

『そうなの!?どうして分かったの?』

『レオン達と調べ、ミシリアスに薬があると聞きミシリアスに忍び込んだ。』

『なんてムチャを・・・。』

『すると奇病の元はミシリアスの呪術者が作り出したと分かった。そいつを締め上げて治す方法を聞いた。』

『どうすればいいの?』

『魔力を注ぎ込めば良い、奴らの作った菌は魔力に弱いという話だ。』

『良かった、それならみんな大丈夫ね。じゃあその事をフルジマの人に教えてあげなきゃ。』

『安心しろ、レオンが既にフルジマ王に使いを出して知らせてある。』

これで一件落着ってことかな?病気の元はディーン達がすべて始末したらしくて、もう同じことは起こらないとディーンは言った。あたし達はそのままハルクに向かってロゼルスさんの屋敷に帰った。