雨のあとに

あたしはとにかくロンの熱が下がるのを願って看病を続けた。周りの人に魔族だと気づかれないように、ロンに治癒術を使った。そのおかげなのかは分からないけど、なんとか熱は下がってくれてロンは元気になった。

『お姉ちゃん、ごめんね。僕のせいで病気がうつっちゃて。』

『そんなこと気にしてないって、第一あたしからロンに触ったんだから自業自得だよ。』

『ありがとう、死ぬ前にお姉ちゃんと会えてよかった。』

『そんな弱気でどうすんの、病気は気からって言って弱気でいたら治るのも治んないよ?』

『でも・・・。』

『でもじゃない、ポジティブに生きなきゃー…って言ってもこんな汚れた所にいたら弱気にもなるか。よしっ、いっちょやるか!』

あたしは辺りにある汚れたシーツやタオルを集めて水溜まりに走った。それからシーツを洗い出すと、後からロンがやってきて聞いてきた。

『お姉ちゃん、何やってるの?』

『見ての通り洗濯だけど。』

『何で?そんなことしたって意味ないよ。』

『意味はあるよ。周りがキレイになればロンだって気持ちいいでしょ?他の人も気分良くなるし。気分が良くなったら病気も少しは良くなるよ、ロンも動けるなら手伝って。』

ロンは分かってくれたみたいで、嬉しそうに手伝ってくれた。それからあたしとロンは洗濯をした後、小屋を掃除してすべての小屋の中を一日かけてキレイにした。