急にディーンを意識してしまい、顔が熱くなってドキドキが止まらなくなった。しかもこんな黙って密着状態でいるのが耐えきれなくなって話しかけた。

『あの、ダンス上手だね。』

『貴様もなかなかだ。』

『その貴様って呼び方やめない？あたしには雨って立派な名前があるんだから。』

『分かった、アメ。』

うわっ、なんか恥ずかしい。名前を呼ばれただけなのに、なんでこんなにドキドキすんのよ。マズい、ここで黙ったら変に思われる。

『あ･･･あなたも気の毒だよね。』

『何がだ？』

『あたしみたいな可愛気のない女が婚約者だなんて。』

『ん？いや？私としては結構満足している。』

『な･･･』

顔が真っ赤になって動けなくなった、すると周りの音楽が止まった。

『どうやらダンスも終りのようだ。どうした顔が紅いぞ、熱でもあるのか？』

『だ、大丈夫！』

熱を計ろうとする手を払ってディーンから逃げ出してしまった。それからディーンに近づかないようにしてパーティーが終わってすぐに自分の部屋に帰った。

まだドキドキする、なんでディーンをこんなに意識しちゃうの。婚約者だから？それとも男の人に免疫がないから？どっちにしても何歳年上の相手にときめいてんの!?