雨のあとに

お父さんはあたし達を自分の部屋に連れて行き、部屋には既にレオン、エレット、カーダ、シーバーそれにメリンダさんも居た。お父さんはみんなを自分の周りに集め、話し始めた。

『みんなに集まってもらったのは魔王についてなんだ。雨は知っているだろうが、私は昔鍵について研究していた。』

お父さんの言葉でみんながざわついた。カーダがお父さんの前に出て喋った。

『それは本当ですか？鍵の秘密を調べるのは初代国王が定めた最大の禁忌ですよ!?』

ビックリしてあたしはつい口を挟んだ。

『そうなの!?それじゃあ、お父さんは罪人？…でも何で？』

カーダに質問するように見るとカーダは困った顔をした。

『さあ？私も存じ上げませんが、古来よりそう定められておりましたので…。』

エレットもあたしと同意見だった。

『僕もその定めは知っていたが、ずっと不思議に思っていた。そもそも鍵は何のために存在するんだ？』

お父さんはエレットだけではなく、全員に説明した。鍵のこと、魔王のこと、マリアのことも知っていることを全部話した。みんなは初めて知らされる鍵の秘密にビックリしていた。驚くみんなにお父さんは話を続けた。

『それで雨が魔王だと分かって一つ疑問が浮かんだ。マリアが開けようとした扉は何なのかと。もしかするとマリアの目的は魔王ではないかもしれない。』