雨のあとに

あたしも会議室に入ることは許されたけど、何か発言することまではできなかった。

会議室からディーンと一緒に自分たちの部屋に向かっている途中にディーンに話し掛けた。

『ディーンって変わったよね。』

『変わった?どういう風に変わったのだ?』

『だって逢ったばかりの頃のディーンだったら人間と戦う理由を探してたぐらい戦争しようとしてたじゃない。』

『たしかにな。私が変われたのはアメの御陰だろう。アメが命の重みを教えてくれた。今の私ならそれが分かる。』

嬉しかった、ディーンの中であたしがディーンを変えるぐらい大きな存在になれていたんだ。嬉しくって、ディーンの腕に掴まり体を寄せて歩いた。

『ゴホンっ!!』

大きな咳払いに後ろを振り向くと、難しい顔で頬を赤くしたお父さんが立っていた。あたし達は驚きと恥ずかしさでパッと直ぐに離れた。

『雨、それにディーン君も一緒に来てくれないか?』

なんだろう?あたしは不思議そうにディーンと顔を合わせて、お父さんの後について行った。