雨のあとに

あたしの心には常に不安がまとわりつく。けれど不安に流されるのはもうやめた。むしろその不安と闘う事にする、不安の原因が無くなるように頑張る。

世界はだんだん不穏に包まれつつある。人間は魔族を恐れ、魔族は人間を恐れていた。お互いいつ襲われるかとビクビクと暮らしている。なんで?誰も戦いなんて望んでいないのに…。

それなのに事態は戦いに向かおうとしていた。多くの人間達が国境に集まり、魔族達は反撃ができる準備を始め出した。

魔族達は人間と闘う意志は無かった。それなのにケスクライブさんが「直ぐにでも人間と戦うべきだ」と言い出し、ケスクライブさんを中心に戦争を起こそうとする準備がされ出した。

戦争を止めようとするディーン達とケスクライブさんの口論はますます激しくなっていった。

『ケスクライブ!貴様どういうつもりだ。まだ国王の意志も無いまま戦など許されると思っているのか?貴様はまたこの国をあの時のように血で染める気なのか!?』

いきり立つディーンをケスクライブさんは冷たくあしらった。

『ディーン殿こそ現実を見たらどうだ?今の現状では戦う他に策はないだろう。あなたの御父上も同じ様にしてたではないか。もう少し御父上を見習ったどうだ?

『私は父上とは違う!良いか?戦など絶対に許さん。』

こうして今日も口論だけで何も解決しないまま会議は終わった。