もぅ!!何がそんなに嫌なの!?そんなに寝てたいの!?


ただでさえ毎日お弁当は一緒に食べたいのに月一だって言うから我慢してるのに。


そんで待ちに待った月一のお弁当の日なのに!



「ほら、そーら。紗耶香ちゃん可哀相だろ。それに昼休み終わっちまうぞ」


直太先輩がゆらゆらと宙くんを揺さ振るとゆっくりと身体を起こした。


今日初めて顔を見合わせましたねっ、宙くん!



「……行ってくる」

「いってら〜」



机の横に掛けてあった鞄を持って宙くんは教室を出て行った。


え…私、置いてくの?
『行くぞ』的なことは言ってくれないの?



「紗耶香ちゃん」

「はい?」

「あいつさ、アレでもちゃんと紗耶香ちゃんのこと好きみたいだからさ。多めに見てやってな」

「…うん」


直太先輩が頭を撫でると、何だか泣きそうになった。



………ホントに宙くんは好きなのかな。