先生のビー玉

「目が覚めちゃった?」

コクリと頷く佳奈。

「がっこう…は?」

彼を見て佳奈が言う。

「ん?あぁ、時間になったら行くよ」

「じゃぁそれまで私は席を外すわね」

清美がそう言うと病室を出て行った。

「どうだ?」

「頭が痛い」

「だろうな…そうとうひどい傷だったからな」

「っていうか…お風呂に入ってないから、髪がボサボサだし、顔もひどいでしょ」

急に気づいたのかうつむく佳奈。

「大丈夫だよ。
佳奈は病人だし。
普通でそうされちゃ困るけどね」

笑いながら彼は言う。

「そっか」

「そうそう」

少し笑って黙る佳奈。
そして…

「研修…迷惑かけちゃってるな」

と呟く。

「大丈夫だよ、事情は池田先生が話してくれてるから」