先生のビー玉

「おはようございます…」

時間は7時半。
病室のドアを開け、小さい声で挨拶をする彼。
清美がそれに気づき、

「先生、まだ7時半よ」

笑って彼を迎える。

「目が覚めてしまったので…」

そう言い、彼女の隣に立つ。

「佳奈はどうでしょうか?」

彼が言うと、

「熱は下がったみたい。
よく寝てるから」

と笑う彼女。

「私も昨日帰って朝まで寝てしまいました」

そう言うと、

「私もお父さんと交代でちゃんと家で寝てるのよ。
寝るって大事ね」

「確かに」

二人、顔を見合わせて笑う。
すると…

「ん…」

佳奈の目が覚めたようだ。