「…あっ、そうかもっ」

「ってお前…どっかにほったらかしにしてんのかもな」

「してないですよ。ほら」

小さな巾着袋を見せる。

「ほほぉ」

それを手に取る彼。
とその時、

「ん?どうした?戸田」

担任の池田がやってきた。

「先生、これ」

求人票を見せる。

「お、早速就活か。
偉いぞ~戸田。
じゃ、履歴書書け」

と履歴書を手渡される。

「ちょうど声をかけようかと思ってたんだ。
やっぱり、誰でもってワケじゃいかんだろうしな」

と池田。

「じゃ、書いてくる」

そう言い、職員室を出ようとすると、

「戸田。忘れもん」

と巾着袋を揺らす。

「あ」

彼のところに走り、それを取る。
すると、

「競技会の日程、手伝ってくれるか?」

「良いですよ。でも履歴書書かせてください」

「もちろんだ。先に部室行ってろ」

そう言われ、部室に向かう。